#3[SakaUra] カンペキカップルだってリア充したい!
Author: しおん
Link: https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=17841830
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青々と茂っていた木はその葉をすっかり落として衣替えの真っ最中。
冷たい木枯らしが体に吹き付けるようになった今日この頃。
小さい頃から一緒で家がお隣同士の幼馴染、坂田と紆余曲折を経てめでたくお付き合いが始まってから早くも数ヶ月が経った。
「さかたぁ。ねー来週ここ行こ。」
「なに......ぇ゛っカップル割引!?」
「ずっとこのカフェ行ってみたかったんだよね〜!!なー、いいだろ?」
「ぅぐ.......................................ぃぃょ」
「やった!ありがとさかたぁ」
首にじゃれるみたいに巻き付くと、あわあわとあからさまに動揺する姿が面白くてつい笑みが零れる。
...ご覧の通り、カップル仲は順調です。
「...あー、おふたりさーん。教室の風紀乱さんといてくださーい」
「はぁ!?み、乱してへんわ!」
「よう言うわ、付き合った途端イチャコライチャコライチャコラ...」
「うるさ、大体お前別クラやろが、何でしれっとおんねん」
「んなこたぁどうでもええねん、ほら周り見てみぃ!!!うらたんのファンが咽び泣いてる姿を見てお前は何も思わへんのか!!」
「思わへんな」
「うらた精鋭隊〜!コイツ殺ってええで!」
センラの通った声が高々と木霊する。
その途端、教室内にいた男共が勇ましい雄叫びを上げながら坂田に飛び掛かってきたので驚いてぱっ、と離れると、あっという間に群れに揉まれて坂田の姿が消えてしまった。
「てめぇ坂田コノヤロー!!」「抜け駆けしやがって!!」「ちょっと運動ができるからって調子乗んなよ!!」と謎に聞こえてくる叫びの中で小さく坂田の呻き声が聞こえてきて、ぷっ、と小さく吹き出してしまう。
揉みくちゃにされている坂田の姿にくすくすと笑いを零していると、横から生暖かい視線を感じてぴたりと動きを止めた。
「...なんだよ」
「...いや?幸せそうで何よりやなぁって」
「人の彼氏つき出しといて、よく言う」
「あいつの幸せは別に祈っとらんからな」
「うそつけ。何だかんだ仲良いくせに」
「......」
相変わらずの胡散臭い笑顔。
でもあの日から、確実にセンラに対する意識は変わった。...センラの助言がなかったら、今の俺は居ないと思うから。
「ありがとね、センちゃん」
「...はて、なんのことでひょ」
何回お礼を言っても知らん顔をされてしまうけど、それがこいつなりの気遣いなんだってことくらい気付いてる。
「ぐっ......やめ......おい裾掴むな伸びるやろ!...う、うらさぁ!!助けてえ!!」
「...ふ、さかちゃん頑張って〜」
「ウッ、かわい...いだぁ゛!!!!誰や髪引っ張ったの!!」
...幸せだな。
柄にもなくそんな事を思ってしまうくらいには、今が満たされ過ぎていて。
叶わない恋に枕を濡らすことも、辛い思いで胸を痛めることも、もう無い。坂田からのたくさんの好きに毎日囲まれて、本当これ以上ないってくらい暖かくて、幸せ。
「...ところでお前なんでこのクラスいんの?」
「...んなこたぁどうでもええねん!」
...とまぁ、そんなこんなでありがたいことにリアルに充実した日々を過ごしているわけですが。
.........
「かかってきぃ」
「...アンタにだけは絶対負けへん」
......今日ばかりは、少し平穏とは離れた日になりそうです。
「せんせー!わたしたちはー、スポーツマンシップに乗っ取ってー正々堂々戦いー、異性の目を気にしながらぁーケガをしない程度にぃー、モテるために全力を尽くすことを誓いまあーす!」
気の抜けた選手宣誓にドッと笑い出す生徒たちと若干苦い顔をしている教師たち。
「どうせお前球技できねーだろー」やら「諦めろー」やらのヤジが体育館に飛び交ってあまりの騒がしさにどうしてこの学校はこんなに陽キャだらけなんだ...とげんなりしてしまう。
大体どこの学校でもこの季節に行われるであろう運動行事ーー球技大会。
例に漏れずこの学校でも今日まさにその戦いの火蓋が切って落とされようとしていた。
「いいか皆、初戦の相手はB組...特に警戒するべきなのはソフト部の吉田だ。あいつはタッパもあるし球速も学年1と言われてる...!」
「いや待て、田中も危険だ。あいつは水泳部一の強肩の持ち主だし、球の速度もエグいに違いない!」
「2人とも落ち着けっ!!大丈夫だ、俺らのクラスには坂田がいる...!頭はポンコツだが運動神経だけは抜群に良い!」
「シメるで」
普段とは打って変わって顔付きが超真剣なクラスメート達。
周りで俺たちと同じように束になって作戦会議をしている他のクラスの奴らもみな険しい顔をしていて、選手宣誓のときの雰囲気とは正反対の殺伐とした空気が流れている。
...それもそのはず、だって優勝したクラスには
「購買のパン1年間無料のために!!!!!絶対勝つぞおお!!!!!!」
「「おーー!!!!!!!」」
...購買に売られているパンを1年間無料で食べられる権利が与えられるから。
(かえりたい)
かく言う俺はその優勝特典にぜーんぜん惹かれない。そもそも俺は毎日弁当だし、購買はあんまり使わないし。
大体ドッジボールなんて狂気のスポーツ、誰が進んでやりたがるんだよ。人にボール当てるとか絶対頭おかしい。
応援席で頑張れ〜なんて手を振ってる女子の方に混ざりたい。俺も高みの見物したい。
遠い目をする俺に気付いた坂田が、ぎゅ、と抱きついてきた。犬なのは相変わらず。
「大丈夫やで、うらさんは絶対俺が守るから!」
「いいよ...むしろとっとと当てて外野に送って...」
「ヒィッ、こんな真っ白柔肌にあんな硬いボール絶対に当てさせられへん...うらさんの身体は俺が死んでも守り抜く...」
「キモ」
ガチな顔をする坂田を冷たい目で見遣って拘束を解いてから、渋々コートへ足を踏み入れた。
(もうここまで来たら仕方ない、坂田を盾にしながらなんとかやり過ごそう)
坂田の背後を陣取ってぴったりくっ付いた俺に、坂田が目を輝かせて「うらさん...!」と謎にまたハグをしようと腕を広げて近付いてきたので無言で突っ張っておいた。動くな、お前は今俺の盾なんだよ。
「...げっ、」
「どしたのうらさん......げっ」
「揃って変人見たような反応すんなや!!.........ンン゛...ふっふっふ、流石の俺でも今日は手加減せぇへんで〜?覚悟しときぃ!」
向かい側のコートで腕を組んでふんぞり返っている金髪に顔が歪む。そうだ、B組にはセンラがいるんだった...
「うらたん!安心しぃ、絶対に俺がうらたんにボールを当ててみせるで!至近距離に追い詰めて超〜〜ソフトタッチでボール当てたるわ!!」
「えっそれはちょっと魅力的かも...」
「うらさぁん!!」
ワキワキと指を気持ち悪く動かしながら近づいてきたセンラの手を叩き落とした坂田。
...でもこいつ運動神経良いし、体格も恵まれてるからもしかしたらかなり強いかも。
「...丁度ええわ、ここでちゃんと決着付けようや。俺と坂田、どっちがこの学校の真のムードメーカーなのかをな」
「ふん、上等や。泣いても知らんで」
「ほぉん?その言葉、そっくりそのままお前に返すわ」
(...こいつらそんな勝負してたの?つかそれドッジでどうやって決めんだよ)
怪訝な俺の視線は既にバチバチしているふたりには届かないようで。
なんか面倒なことになりそ、なんて考えながらぷらぷら手首を揺らした。
「それでは!第1回戦、A組対B組の対決を始めます!」
......
ピピーッ!!!!!!!!
「はいっ、そこまで!!第1回戦、勝者はA組です!」
...バタン!!!!!!
試合終了のホイッスルが鳴った途端、その場に崩れ落ちたセンラに坂田が慌てて駆け寄る。
「っセンラ!!!」
「うっ...なんで...なんでなん......!」
「お前..........................................
球技ダメダメなくせに何で挑発してきたん よ.........」
「やってお約束やんかッッ!!宣戦布告するのとか超あるあるな展開やんかッッ!!俺もやっとかなアカン思たんやッッ!!うっうっ...」
「分かった分かった、お前の芸人魂はよーく感じたで......ボコボコにしてすまんかったな...」
「こんなんモテへん!!かっこ悪い!あぁ゛ーーん!!」
地面にひれ伏すセンラの背中を撫でる坂田の図があまりにも珍しすぎて、思わずぷっ、と笑いが漏れた。
にしても本当に弱かったなアイツ。背が高いせいでよく狙われて顔面にヒットするわ投げたボールはあらぬ方向に飛んでいくわで典型的な球技オンチだった。なまじ運動ができる故に余計面白...意外である。
「うらさん、怪我ない?大丈夫?」
「怪我もなにも、お前がずっと前陣取ってたせいで全然ボール届かなかったんだけど...」
「当たり前やんか、守る言うたやろ」
「......」
守る守るって、一応俺も男なんだけど!!
さっきまでは盾にする気満々だったくせにいざ甲斐甲斐しく守られると何か腑に落ちない。
ムッ、としながら水分補給のためにスタスタとその場を後にすると、後ろから坂田が焦ったように追いかけてきて「えぇっごめんて!機嫌直してや!ね?ほら、後でジュース奢ったるからぁ」なんて言い募ってきたのでおでこに強めのデコピンをかましておいた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
その後も俺のクラスは何故か順調に勝ち進んでしまい、あっという間に決勝戦。
「よしお前ら!次勝てばパン無料だ!!!気合い入れて行くぞ!!!」
「「おう!!!!!」」
俄然やる気、というより野心に溢れ雄叫びを上げるクラスメートを横目で見ながら、坂田の持つ対戦表のプリントを覗き込んだ。
「...次どこ?」
「えーと次は......C組......?」
「うらたさん」
クラス番号に目を丸くするのと同時に、背後から掛けられた声に反射で振り返る。
「...志麻くん、」
ボールを小脇に抱えた志麻くんは、相変わらず優しい表情で佇んでいる。
...坂田と恋人になってから彼とはめっきり関わることが減ってしまったから、久しぶりにそのイケメンフェイスを近くで目の当たりにして何だか目がチカチカした。やはり美形は眩しい。
拳を胸の辺りで握りしめて、胡乱げなため息をひとつ落とした志麻くんに、何故かまだ警戒している坂田が俺を後ろから囲うように抱き込んだ。
「まさかうらたさんが敵になる時が来るなんてな...」
「...ん?」
「でもやるからにはしゃあないもんな...本当は嫌やけど...今回ばかりは俺も無慈悲になってみせるわ」
「し、志麻くん?」
「悪いなうらたさん...俺はな............リア充には優しくないんや!!!!!!!!!!」
絶対負けへんで!と捨て台詞までしっかり遺して足早に自陣へ戻って行った志麻くんの後ろ姿を、坂田とふたりでぽかーんと眺める。
「な、なんや...?あんなキャラやったっけ...?」
「...ぷっ......ふははは!!!!!」
声を上げて笑い始めた俺に気が付いた志麻くんが、八重歯を見せたあの笑顔で遠くから手を振る。
『うらたんは、志麻くんが振られてうじうじいじけるようなちっちゃい男や思っとるんか?』
...そうだねセンラ、俺が間違ってたよ。
先程天界へと旅立って行ったセンラに脳内で手を合わせる。頭の中の天使センラが「勝手に殺すなや!」と叫んだ。
くすくすと止まらない笑いを零し続ける俺に、坂田が訝しげな顔をして首を傾げた。
「では!最終対決、A組対C組の試合を始めます!」
初戦の時とは段違いの歓声が周りから沸きあがる。パン無料が賭かっているためこちらも相手もガチだ。今から死闘でも始まるのかと錯覚する緊迫感。
最初のジャンプボール、こちらの担当は坂田、相手側の担当はなんと志麻くんだった。背は高くはないがバレー部で培ったジャンプ力を見込まれたらしい。
両者がコートの真ん中へゆっくりと歩みを進める。
「...まだ諦めてないんか。」
「さぁ、どうやろな。......逆に言わせてもらうとあんたは、好きになった相手を"たった3ヶ月"で忘れられるってことやな?」
「......それは煽ってるってことでええんやな?」
「おぉ。...かかってきぃ」
「...アンタにだけは絶対負けへん」
ー満を持して、試合開始のホイッスルが鳴らされた。
「坂田っ!パス!」
「坂田ー!!頼んだ!!」
「坂田!やるよ!」
「お前ら全部俺に回してくんなや!!!!」
坂田の功労の甲斐あって、内野の残基はA組が10人、C組が7人とこちらが幾らか優勢な状況。
強力な盾(坂田)を持つ俺もしっかり内野に残ってしまっているが、こんな緊迫した状況怖くて堪らないのでさっさと離脱したい。
応援席からはキャー!坂田くん!かっこいい!と黄色い声が聞こえてきて、そういえばこいつモテるんだった、と苦い顔になりそうになるのを慌てて堪える。...まぁ恋人は俺だけどね!!
志麻くんを囃し立てる黄色い声の量もかなり凄くて、もう雰囲気は完全に坂田と志麻くんの1対1だ。周囲の男子が苦虫をかみ潰したような顔になってしまう理由も分かる。
「ウォー!!うらたくん可愛いぞー!!」
「彼氏が出来ても愛してるー!!」
「学校1の女王様ー!!」
...ねぇ、なんで俺には野太い歓声しか聞こえてこないんだよ!!大体女王様ってなに!?俺そんなあだ名付けられてたの!?絶対バカにしてんじゃん!!
脳内のイライラゲージがぐーんと昇ったところで、神がかかったようなタイミングで偶然足元にコロコロ転がってきたボール。
それを拾い上げて無言で最前の方へ足を進めると、反応が遅れた坂田が「う、うらさん?」と心配そうに声を掛けてくるがもう止まれない。今俺の心は非常に荒んでいるのだ。
ラインギリギリまで進んで、ぴた、と止まる。
ごく、と向かいにいる相手が息を飲んだ。
「っ...か、」
「.....か?」
「からかってんじゃねー!!!ばーか!!!!」
「ぇ語彙力ひく...グェ!!!!」
力いっぱい下に叩きつけたボールは勢い良くワンバウンドして、凄まじい速さを帯びながら全然知らない人の顔面にクリティカルヒットした。
バタン、と床に倒れた全然知らない人。
ざわ......とザワつく周囲。応援席の歓声までもが一旦止んだ。
(ど、どうだ、俺だってやればでき...)
「ツンデレかわいいーっ!!!」
「俺もそのボールで顔面殴られたい!」
「さすが女王様!」
何故か勢いを増してしまった気持ちの悪い歓声にがくん、と床に手をついて崩れ落ちる。
ダメだ、変態の思考は読めない......
最前線で無防備に背中を晒すという自殺行為をしている俺を敵がみすみす見逃すはずもなく、ゆら、と視界に影が掛かって慌てて顔を上げた。
「...ふっ...女王様の命、貰ったァ!!」
「っうらさんっ!!危ない!!」
「えっ...」
こちらに手を伸ばして、駆け寄ってくる坂田の動きがスローモーションみたいに見える。
俺の腕を引いて、抱き込まれて、それで...
バァン!!!!
「ピピーッ。坂田、アウトー」
敵に背中を向ける形で俺を抱きしめたままの坂田に、呆然と目を見開く。
現状が理解できないまま、震える手の平で坂田の頬を撫でると、坂田は苦しそうに顔を歪ませたあとに小さく笑った。
「ウ゛ッ......うらさ、無事...?」
「さ、さかた...!なんでっ...どうして俺を庇って...!!」
「当たり前やん...絶対にうらさんを守るって、言うたやろ...?」
「さかた......っ!」
肩を震わせ胸に顔を埋めてしまった俺の頭を優しく撫でた坂田は、「最後に顔...見せて?」と震える声で紡ぐ。
言われた通りにゆっくり顔を上げると、俺の頬に手を添えた坂田が顔を傾けてゆっくり近付いてきて...
「「キャーー!!!!!!!!!」」
「「ギャアーー!!!!!!!!!!」」
口を手で覆って顔を真っ赤にする女子達、頭を抱えて阿鼻叫喚する男子達。
唇に感じる湿った温もりに、一瞬理解ができなくて目をぱちぱちと瞬かせる。
...エッ、おれ、今皆の前でちゅーされて...る...
唇を合わせるだけの、軽いキス。ドカン!と噴火でもしたみたいに顔が沸騰する。頭から煙でも出てるんじゃないの俺。
怠慢な動きでちゅ、と唇を離した坂田が、また顔を傾けたところで、坂田の背後にボールをしっかり構えた紫色の影がゆらり、と現れてヒッ、と喉を引き攣らせた。
「さ、さかた、後ろ、」
「ぇ、」
「もういっぺん死んどけや!!!!!!」
バコーン!!!!!!!!!!
「ピピーッ。坂田、2アウトー」
「ウ゛ッッッ.........南無三...」
「さかたァーッッッ!!!!!!」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「さて坂田くん、最後に何か言い遺すことは」
「......後悔はしてません!!」
「よし、殺れ!!処刑だ!!!」
「ぎゃあああああああ!!」
競技終了後、教室へ戻って反省会の時間。
机の上で足を組んで座った委員長が、足元に正座する坂田を冷たい目で見下ろして、大きなため息をついた。
結果として、俺たちA組は大敗した。
そもそもこのクラスにまともに戦える人材が坂田しかいなかったこともあり、坂田が脱落した後はもう秒殺だった。
...あの後俺も羞恥で全然動けなくなってしまったし、この戦犯の罪は非常に重い。全クラスの前であんなことしやがって。
罰として柔道部の佐々木くんに絞め技を掛けられている坂田の耳を悪足掻きで引っ張ってやった。
「...ほーんと、ばかじゃん、お前」
「んふ、ごめんて。...嫌やった?」
「い、嫌とかそういうことじゃ...」
口ではこう言ってても、本当は、心の深いところでは、坂田と俺の関係を周りに見せつけられたみたいでちょっと優越感を感じてしまっているなんて、絶対言えない。
俺ってこんなに女々しい奴だったっけ。坂田といると、自分でも知らない自分が見えてきてちょっと怖い。
「...うらさんは恥ずかしかったかもしれんけど。俺は可愛い恋人を皆に見せつけられて、正直嬉しい」
「...っ、!」
...こいつの真っ直ぐな言葉にはいつまで経っても慣れない。顔が熱い。
言葉通り本当に嬉しそうに微笑むから、そんなの俺だって、って言いかけてしまいそうだ。
「ぅ、お、れも...」
「...お前ら...............」
「「あ」」
「よし、反省してないってことはよーーく分かった......うらた!お前も処刑だ!!今から全員分の飲み物買ってこい!!坂田は落ちるまで絞め技!!」
「えっやだ!重いじゃん!」
「お、落ちるまで...?正気か...?」
「あ゛ん?」
「「すみません!!」」
...恋人との甘い(?)日々は、まだまだ続きそうです。
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